皆さん、こんにちは! 元・タジュウです。
私の悲惨な転落人生に基づき、法的債務整理の様々な側面についてご解説しております。
今回は、私が辛くも自己破産を成功させた経験から自己破産を成功させる「非常に具体的な処方箋」をご提示したいと思っております。
現在多重債務があり、自己破産に踏み切るかどうか迷って私の記事を読んで頂いている方に特におススメです。
予備知識として自己破産について包括的に解説した記事がありますので、是非前もってお読み下さい!
又、私の失敗人生三部作(ストーリー)に目を通してからこちらも読まれるともっと面白いかもしれません。
さて処方箋、或いは「切り札」です。実は裁判所に提出する「反省文」なんです。
自己破産には「免責不許可要件(事由)」というものが設定されていて、あまりに行状が悪い人間には許可しない! となっています。つまり、真面目に生きてきて運の悪い失業等で借金苦に喘いでいる人等は助けるが、飲酒やバクチで借金を抱え込んだふざけた人間は許さない! とうことです。
でもこれは建前的なところがある。猛反省すれば「仕方ないので許してやる」というのが大抵です。そこでこの「反省文」が重要なカードになります。
私も弁護士先生と相談しながら「かなり名文」の反省文を書いて提出し、許して頂きました。
この反省文のポイントについて、具体的な例をお示ししながら説明したいと思います。
先に結論を言うと「やたらと反省する」。これで大概通ります。
反省だけならサルでも出来る
まだイントロです。
「反省文」ってそもそも何だ? 何か悪いことをして、力を握っている人に赦してもらうために書くのが反省文。
内心どう思っているかは分かりませんが・・・。これも反省文のポイント。そう書いてるだけで反省してないかもしれない!
子供が書きそうなものです。
小学生なら、同級生のおもちゃ(ゲームのソフトとか)をジャイアンのように取り上げた。担任の先生に叱られた。悪かったです、もうしません! ということで平仮名だけで反省文を書き、イジメられた子本人と両親、教師に提出する。また後でやるかもしれないが・・・。
中二男子なら、好きな女の子のスカートを掃除の時間にまくってしまった。漢字も少し交えて、エッチなことしちゃいました。でも悪気は無く好きだったからしたので・・・と反省しているのかどうかはっきりしないがそう言われると女子の方も悪い気はしないので一件落着!
大人でも? 浮気がバレた(昼キャバにこっそり通っていた)旦那さんが、もう一生浮気はしないと大真面目に反省文を書き、拇印を押して奥さんに土下座しながら提出。もしもう一度したら即離婚よ!
私は子供の頃にもイタズラ等で反省文を書いたことがありますが、大人になってからもかなり書いています(泣)。
サラリーマン時代に酔って会社に行って上司に暴言を吐き(何故そんな評価が低いんだ! 部下のこと分からんで上司の資格はあるんか!?とか)、人事部に行って反省文を書いたこともあります。もう酔って出社しません。もう一度したら減俸・クビも覚悟します。とか。
ここで、浮気をする旦那さんも酔って会社に行く私もそうですが、「真実味」が無いと反省文の意味がありません。書いた次の日にまた昼キャバに行ったり酒を飲んで会社に行くと、その場しのぎの嘘ついてただけなんだ・・・となります。断罪です。一旦書いたら少なくとも当面は自分で書いた通りに実行しなくてはいけませんね。
もちろん、私が書いた人生で最大の反省文は自己破産に際して裁判所に提出したものです!
以下、具体的にブッチャケします。
自己破産の概要
ここで、「誰」に宛ててどういった内容の反省文を書くか、という問題がありますので自己破産の振り返りを。詳しくは私の自己破産の記事をお読み下さい。
自己破産、とは?
一応正式な内容はWikiで(一目で読む気無くなると思います。無くなった時点で私の解説を)
自己破産とは、借金を背負った人(債務者)が財産も全て放棄して「帳消し」にする法的手続きです。なので、基本弱者を守るためにある。
一方、債権者も保護しなくてはならない。お金を借りるだけ借りて、いつでもコレを使えば借金がゼロになる、というのなら皆借り放題して消してしまいます。申請すれば100%通る、というそんな甘いものでもない・・・という建付けです。
どう甘くないのか。それは次の段落で。
* 留意点
自己破産は正確には「借金が消える」のではなく、法的には「(借金は残るにせよ)返済しなくてヨシ」と許可を貰うことを謂うようです。が、今後払わなくていいんで事実上は帳消しでしょう。
免責不許可要件(事由)
ここが甘くない。裁判所的にも、真面目に生きてきて借金を重ねてしまった人には帳消しにしてやりたい。
が、ふざけた人間には簡単には許可しない。この点です。ギャンブルやキャバ通いで借金を作って申請さえすれば消える、というなら誰でもそうしてしまいます。
ざっくり、免責不許可要件には大きく分けて3つあります:
- 借金が出来た理由: ギャンブルや飲酒等の放蕩でこさえた場合
- 債権者保護の観点: 虚偽や財産を隠ぺいする行為
- リピーター: 一回自己破産して半年後また、とかはダメ
本稿では最初の点に焦点を当てます。
「誰」宛てなのか
反省文の宛先です。名目上は自己破産を申請した裁判所です。
が、自己破産においては「管財人」というものが裁判所から任命されます。債権者側の弁護士です。
こちらも正確な定義はWikiで
裁判所・裁判官よりも実はこの管財人が自己破産を通すか否かについて「絶大な権力」を握っています。
自己破産の法律(条文)も、全て案件毎のケース・バイ・ケースの要素が大きいためそう細かく決められているわけではありません。つまり、都度その案件の管財人の気分次第。裁量権があります。
その管財人が、免責不許可要件にヒットしている自己破産申請者を気に入らなければ却下。反省文で反省の色が見えたら許可。こういう感じです。最後のページェント(かなり形式的なので茶番っぽい)的な裁判では、裁判官はほぼ自動的に管財人の結論 = 却下 or OKを受け入れます。
このため、形式的にはTo: 裁判所 / CC: 管財人が提出先なのですが事実上は(読んで判断するのは)この管財人ということになります!
反省文を書くときは相手が大切ですので、まずこの点を念頭に・・・。
いつ、どう提出するのか
自己破産を申請する際、フォームに「主旨」を書く欄があります。何故そんなに膨大な借金を抱えるに至ったか、裁判所に何をお願いして(寛大な裁きを!)、今後どうする積もりなのか。が、欄が小さいのでそれぞれ人生に色々あってこうなったので、書ききれません!
ここで、別紙という形でツラツラと書いて提出します。
別に申請時でも構いませんし、一旦申請して後でも構いません。し、必要な何度もコレポンしてもよいでしょう。でも出来れば一発でバシッと決めたい!
私の場合申請時に概略をフォームに記入して、その後管財人との面談になりましたがこれでは到底受け入れられないということで弁護士先生と相談しながらかなり長い反省文を提出し通りました。
弁護士を起用している場合はそちらの事務所から裁判所 & 管財人に書面で送ってくれるので任せましょう。
原稿を手に持って舞台上で涙ながらに読み上げる(オスカーみたいに?)、ということはありません。法的債務整理の手続きはほとんどが書面のやり取りです(郵送)。
フィジカルになるのは、最低一回は管財人の面談(お叱り)を受けるのと、最後裁判所に立つ時だけです。座ってるけど。
タイミング的には管財人の面談の後に言われたらその意見も加味してガッツリ書いて送るというのもいいかもしれません。私はそうでした。睨まれて怒られたのでそうせざるを得なかったというか・・・。
反省文
以下、ケーススタディ X3 で反省文について考察してみます。そのうち一つは私の実体験に基づいています。
まず結論としてどういった内容・構成であるべきか?:
- どうして多重債務者になってしまったか、大体正直・客観的に経緯を説明する。
- 自分が120%悪かったとひたすら謝り倒し、猛省して免責して下さいとお願いする。
- 債権者には本当に申し訳ないことをしたと平伏口調で書いておく。
- 管財人の先生にも大変迷惑を掛けて慙愧の念に堪えませんと書いておく(この人が読んで判断するのでポイント)。
- 最後に、裁判所(裁判官)に何卒寛大な処置を、と頭を下げているのが見えるぐらいお願いする。
状況や言い分は色々あるかもしれませんが、とにかく通してもらうために関係各位に対し謝り倒す。言い訳を一切しない。とにかく慇懃に!
免責不許可要件は「釘を刺す(そんな簡単には通さないよ)」 & 司法側が裁量権を握って置くために設定されている感もありますので、案外建前的です。謝れば仕方ないから通してやる、という感じです。
でも謝らないで「俺が悪いわけじゃないが、こうなってしまったんで借金がうざいからはよ消してくれ」という態度で書くと却下になります。
以下、免責不許可要件に抵触しない例を一つ(生活苦)と、抵触する例を二つ(飲酒及びギャンブル)で反省文の例を考えてみます。
私の実際の反省文は時系列で微に入り細に入りこの稿より長いものでした。そこまではスペース的に掲載出来ないので、ダイジェストになります。
それぞれにつき「良い(うまい)例」と「悪い(下手な)例」を挙げてみます。謝まり倒してるか、開き直ってるか差がはっきり分かるよう極端に。また面白くするために悪い手例の方はちょっと「中二的」な口調にします。
免責不許可要件に抵触しない場合: 生活苦
こちらは一つだけ。抵触する方がメインですが、対比する目的で挙げてみます。
もちろん抵触していないんだから反省文は要らないかもしれません。が、念押しで文書を提出するのはアリでしょう。
状況:
- 40代のシングルマザー。
- 働かないで家庭内暴力を振るう夫がいたが、娘を連れてついに家出。
- スーパーのレジで月収10万ぐらい、何とか娘を学校にやっていた。
- それでも家賃や生活費を払うととても足りず、次第にサラ金から借りるようになった。
- 数年経って色々な所から細かく借りて借金総額が200万を超え、もう利子も払えない。
- 払うと文字通り飢え死にする。それか親子心中しか道はナイのか?
反省文:
良い例:
居眠市 地方裁判所様
前夫とは大恋愛の末に結ばれましたが、娘ができた後、仕事はしない、朝から酒を飲む、挙句の果てに暴力を振るう・・・という最低の人間になり、ついに娘を連れて家出しました。
その後、こちらの片田舎でほそぼそスーパーでレジの仕事をしておりましたが、月収は10万円にも及びません。借家ですので、家賃5万円を払い、自分と娘が食べ、娘に勉強をさせると毎月赤字になってしまいます。
ここで、誰もお金を貸してくれないので利息の高い消費者金融からお金を借りて生活を賄うようになりました。しっかり金利は払っていたのですが、段々他の金融機関からまた借りて返済に充てるということが続き、数年経って借金総額が200万円にもなりました。
これでは金利を払うだけでお金が底をつくので、生活が成り立たず、娘と心中というようなことまで考えております。
何のスキルも無く、稼ぐことが出来ない私にも責任の一端はあると思います。この点は管財人さまからもご指摘を受けており(身に染みる有難いお言葉です)、ご相談の上今後介護士の資格を取得して借金をしなくてよい生活を娘と送ろうと考えております。
今回借金を免責頂けましたら、その間食べつないで資格も取り、もっと良い仕事に就けると思っております。二度と借金は致しません。
債権者各位には何の責任もなく、ただ未熟な私ども母娘の身勝手かと思います。返済しきれず大変ご迷惑を掛けることになるので、この点もこの場を借りて深くお詫び致します。
以上、何卒寛大なご判断をお願い致します。
悪い例:
居眠市 地方裁判所様
前夫とは大恋愛の末に結ばれましたが、娘ができた後、仕事はしない、朝から酒を飲む、挙句の果てに暴力を振るう・・・という最低の人間になり、ついに娘を連れて家出しました。
その後、こちらの片田舎でほそぼそスーパーでレジの仕事をしておりましたが、月収は10万円にも及びません。借家ですので、家賃5万円を払い、自分と娘が食べ、娘に勉強をさせると毎月赤字になってしまいます。
ここで、誰もお金を貸してくれないので利息の高い消費者金融からお金を借りて生活を賄うようになりました。しっかり金利は払っていたのですが、段々他の金融機関からまた借りて返済に充てるということが続き、数年経って借金総額が200万円にもなりました。
これでは金利を払うだけでお金が底をつくので、生活が成り立たず、娘と心中というようなことまで考えております。
ここで誰のせいでこんなことになったのだろう・・・と考えました。まずサイテーな男の前夫です。そして、私達の苦境も知らずに高い金利をむしり取り続けるサラ金ども。そして、私が手に職が無いのが悪い、とかいうMr. 管財人。
私や娘が悪いのではないので、せめて借金を帳消しにして欲しい。いや、しろ! それも早めにな。
比べてみましょう!
良い例では、不幸な人生を送ってなお自分にスキル・資格が無いことを反省し、しおらしいです。管財人にも感謝し、債権者にもお詫びし、裁判所に平伏しています。これは100%通ります。
一方の悪い例。少々極端に書きましたが、借金を抱え込んだのを「他人のせい(お前らが悪い!)」としており、通るものも通らなくなる可能性があります。もちろんこんなことを書く人はいないでしょうが、対比させてみました。
この場合免責不許可要件に当たらないので、別に反省文は要りません。が、「文章で詳しく説明しろ」と管財人に言われる可能性はあります。その場合も反省文と同じ要領で。100%世の中が悪いということも無いので、慙愧の念を示しておいて損ではありません。
A: 免責不許可要件に抵触する場合: 飲酒
私本人です!
状況:
- 30台後半の中年。
- 日本・米国の一流校を出てから投資銀行の世界に入り30になるまではエリートだった。
- 実は虚栄心とカネ目当てで留学し同業界に入っただけ。
- 競争の激しい世界で出世競争から耐えられず脱落し、アル中(キャバ中)に。
- 銀行カードローン・消費者金融・クレジットカード数枚で枠いっぱいまで借りて連夜キャバクラに通う。1,000万円クラスの多重債務者に!
- いつも酔っており、仕事もまともに出来なくなる。
良い例:
居眠市 地方裁判所様
私は虚栄心とお金が目当てで能力も無いのに証券の世界に入り、出世競争から脱落し毎日お酒で自分をごまかしていた愚か者です。
業界に入ったばかりの頃は良かったのですが、そのうち若い人達に抜かれ、悔しさで段々とお酒に手を染めるようになりました。現実から目をそむけるためです。女の子に話を聞いてもらえるとその時だけは慰められるので、高いキャバクラに連日通うようになってしまいました。
この癖が取れず、段々と銀行カードローン・消費者金融・クレジットカード(キャッシング)に頼るようになり、出来る限りの返済はしていたのですが気付いたら多重債務者になっておりました。もう給料では到底返済が追い付かず、最後の方には返済のためにまた新たな借金をする、という自転車操業に陥りました。
管財人の方にも「自分に自制心が無い」のが一番の原因である、と強くお叱りを受けました。自分の人生を振り返ってこれは本当のことだと思い、真実を突き付けられ痛いが有り難いお言葉だと思いました。
今後は一切キャバクラ通いをやめ、組織に向かないと分かっているのでフリーランスで細々と生活をしていきたいと思います。
債権者でもある各金融機関様にも全て返済することが出来ず、多大なご迷惑を掛けると思っております。
これを機に新しい人生を送りたく、何卒免責の許可を賜りたく存じます。
悪い例:
居眠市 地方裁判所様
私は虚栄心とお金が目当てで能力も無いのに証券の世界に入り、出世競争から脱落し毎日お酒で自分をごまかしていた愚か者です。
業界に入ったばかりの頃は良かったのですが、そのうち若い人達に抜かれ、悔しさで段々とお酒に手を染めるようになりました。現実から目をそむけるためです。女の子に話を聞いてもらえるとその時だけは慰められるので、高いキャバクラに連日通うようになってしまいました。
この癖が取れず、段々と銀行カードローン・消費者金融・クレジットカード(キャッシング)に頼るようになり、出来る限りの返済はしていたのですが気付いたら多重債務者になっておりました。もう給料では到底返済が追い付かず、最後の方には返済のためにまた新たな借金をする、という自転車操業になっておりました。
ここでふと振り返ってみました。元々自分は世界に冠たる学歴を持っていてエリートだったはず。「能力が無い」というのは上司達が分からなかっただけだろう。或いは個人的に不公平をしていたのか。そりゃキャバクラにはまるのも当然だ。会社の人間より分かってくれるのは夜の女達。
免責にして一旦ゼロにしてくれないと残高が多すぎてもう借りれず、夜の女達に会えない。だからしてくれ。エリカもミイナもアオイも皆、この俺を待ってるんだ!
比べてみましょう!
良い例では、「言いたいことも色々あるながら」自分で全て責を負っており、ひたすら謝り倒しております。元々エリート(少なくとも学歴的には)だった、とすら言っていません。
悪い例では、一応こういう状況なんだけどと述べた後、待てよ! 俺が何でこんなに謝らないとならん。となり、エリートだったのにバカのせいでそうなったんで、当然借金帳消しの判断に値する、というようなことを述べています。
対比目的で極端に書いておりますが、ポイントとしては「ひたすら恭順」です。学歴が良かったとかそんなこともおくびに出さない。とにかく自分が愚かだった、と120%認めてお願いし倒す。
こちらはダイジェスト版なので実際よりはるかに短いですが、これであっさり通りました。いずれにせよ誇ることではありませんが・・・。
反省文ですよ。反省する時は自分の言い分には一切触れず、ひたすら反省する! これが相手の気持ち(この場合管財人)を和らげる。少しでも自分の主張をすると「生意気な奴」と思われかねません。
B: 免責不許可要件に抵触する場合: ギャンブル
状況:
- 20台後半の無職ヤンキー。
- パチ・スロット・競馬・麻雀・FXなんでもござれのギャンブル中毒。
- ギャンブルってのは長く続けると「ハウス(興行側)」が勝つように出来ています!
- 20台前半まではギャンブルで食えてて、ロレックスやベンツまで買えてた。
- そのうち運も尽き、サラ金に手を出してまたスロットに突っ込み、また借りるを繰り返す。いつか取り戻してやる! 俺はさすらいのギャンブラーだからな・・・。
- 気付いたら手元に残ったのは高い金利の付く300万円の借金のみ。無職だし。
良い例:
居眠市 地方裁判所様
僕はまっとうに働くのがイヤでギャンブルで食っていこうと考えていた大馬鹿者です。パチンコやスロット、競馬やFX等目に付く賭博には何でも手を出しておりました。
最初のうちは勝ち続けて贅沢品を買い漁って分不相応な暮らしをしておりましたが、そのうち負けがこむようになります。
それでも自分には勝負事の才能があるのだと馬鹿なことを信じ、消費者金融から借りてはスロットに突っ込み負け、借金を重ねるという愚かな生活を始めてしまいます。今ではもうどこも貸してくれず、ただ多額の借金だけが手元に残った状態です。
管財人様ともお話しましたが、今後は一切ギャンブルから手を引いて土方等の肉体労働で真面目に働き、一から人生を歩んでいきたいと思っております。
金融機関各位様にも、融通して頂いたのに今は仕事が無く返済が出来ず、申し訳無い気持ちでいっぱいです。
以後心機一転まっとうな社会人になりますので、今回ばかりは寛大な処置をお願い致します。
悪い例:
居眠市 地方裁判所様
僕はまっとうに働くのがイヤでギャンブルで食っていこうと考えていた大馬鹿者です。パチンコやスロット、競馬やFX等目に付く賭博には何でも手を出しておりました。
最初のうちは勝ち続けて贅沢品を買い漁って分不相応な暮らしをしておりましたが、そのうち負けがこむようになります。
それでも自分には勝負事の才能があるのだと馬鹿なことを信じ、消費者金融から借りてはスロットに突っ込み負け、借金を重ねるという愚かな生活を始めてしまいます。今ではもうどこも貸してくれず、ただ多額の借金だけが手元に残った状態です。
ただ、自分が真の博打打ちである、という信念は変わっていません。またやれば必ずツキも戻ってきて勝てます!
貸してくれないとネタ銭が無く困るので、一旦借金帳消しにしてくれ。そうしたら今後は勝つだけなので借りた分もちゃんと返す。
比べてみましょう!
良い例では、ひたすら反省して、これからは真面目に働いて人生をやり直すと誓っています。これなら通りそう・・・。
悪い例では、反省しているように見えてあんまり反省していません。単にツキの波の問題で一時的なことだった、とか。
* 留意点
自己破産に関する法律を読んでいると、「株式・FX」は投資ではなく射幸行為 = 博打だとしています。金融学者の私としてはこの解釈の違いは興味深い点です。
行動が伴うこと!
以上、ちょっと極端な例で良い例 & 悪い例をいくつか見てました。とにかく反省!
さて反省だけして実が伴わないとアウトになります。
特に自己破産の調査・査定期間中(申請してから裁判まで)ですが、これは行状のチェックも兼ねています。つまり、当人が反省文で言った通りにしているか?
例えば、です。この期間は郵便物が全て管財人に一旦転送されます。キャバを止めると言っておいてツケで飲んだ分の請求書が届いたり、ギャンブルを止めると言っておいてオンラインカジノの清算書が届いたりしたらどう思うでしょうか?
反省したら、その通りにする! そうしないとバレます。通帳も常にチェックされるので資金の流れでも怪しいと思われますね・・・。
真実は一つではナイ。
さて、芥川龍之介の「藪の中」を読んで思ったのですが、物事というのは見方による面もあり「真実は一つではナイ」。考え方、解釈で真実は変わります。
上記の悪い例二つを見ても分かると思いますが、私の場合「実は能力が無かった」のか「上司が認めないだけ」なのかで違います。ギャンブラーの場合「ギャンブルで食おうとしたのが間違い」なのか「たまたま負けが込んだだけ」なのかで違います。
というように、物事は見方次第の面もありそう単純ではありません。が、こと自己破産の申請においては「自分が悪い」方に100%振って下さい。自分がどう思っていても、それは100%悪かったと認める、この態度が明日につながります。
まとめ
- 自己破産の手続きでは「反省文」を書く時がある。
- 特に飲酒やギャンブル等、免責不許可要件に引っ掛かっている場合。
- 読み手は「管財人」である。この方の機嫌を損なうことは絶対に書かない。
- 言いたいことはあると思うが、とにかく自分が愚かだったと書く。
- するとまず通る。
言い訳をしないのが反省。言い訳したくなる、でもしない!
100%自分が悪いと認めるのが悔しくても、自己破産が却下されるより通った方がいいですね! 大人になるのが法的債務整理。そういう結論でした!