制度の利用条件

制度の利用条件

使えるか/向いているかの判断材料
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「相談したのに『あなたは使えません』と言われたらどうしよう」── 債務整理に踏み出すとき、多くの方が最初に抱える不安です。

たとえると、債務整理の利用条件は「免許試験の受験資格」のようなもの。免許そのものに難易度はありますが、まず 試験を受けられる立場かどうか が決まっていて、満たしていないと土俵にすら上がれません。

任意整理・個人再生・自己破産にはそれぞれ、収入の有無・借金の総額・財産の状況・過去の利用歴 といった条件があります。条件を1つでも満たさないと、その制度は選べません。

でも安心してください。「どれか1つは必ず使える」 ように設計されているのが日本の債務整理制度。「収入がない人は自己破産」「家を残したい人は個人再生」「収入が安定している軽症の人は任意整理」というように、状況に応じた逃げ道がちゃんと用意されています。

このカテゴリでは、「自分はどの制度の入口に立てるか」 を判断するために必要な条件を、制度別・状況別に整理しています。

① 「自分に使える制度」を見極めるために

債務整理には主に 任意整理・個人再生・自己破産 の3つの方法がありますが、誰でもどの制度でも自由に使えるわけではありません。収入の有無・借金の総額・財産の状況・過去の利用歴 など、複数の条件が制度ごとに定められています。

たとえると、3つの制度は「3種類の電車の駅」。各駅には改札があり、切符(利用条件) を持っていないと乗れません。山手線(任意整理)の改札は安定収入の切符が必要、新幹線(自己破産)はお金がなくても乗れるけど別の改札を通る ── という具合に、制度ごとに入場条件が違います。

「せっかく相談したのに、使えないと言われた」という事態を避けるためにも、まずは 各制度の入口の条件 を把握しておくことが大切です。このカテゴリでは、制度別の条件を体系的に整理しています。


② 制度別 利用条件の早見表

条件

任意整理

個人再生

自己破産

あなたの感覚で言うと

安定収入

原則必要(3〜5年返済のため)

必要(再生計画の履行)

不要

任意整理・個人再生は給料が必要

借金の上限額

制限なし

5,000万円以下(住宅ローン除く)

制限なし

個人再生だけ上限あり

裁判所の関与

不要

必要(再生計画の認可)

必要(免責許可)

任意整理だけ気軽

債権者の同意

必要(任意の交渉)

小規模再生は過半数の同意

不要

自己破産は「許可不要」

財産の処分

なし

清算価値保障の範囲で影響

原則あり(自由財産を除く)

自己破産だけ財産にメス

資格・職業制限

なし

なし

一部あり(免責確定まで)

自己破産は警備員・保険外交員などに一時制限

再利用の制限期間

特になし

前回から7年以上

前回から7年以上

任意整理は何度でもOK

たとえると、3制度の条件は「3種類のフィットネスジムの入会条件」。月額制(任意整理)は会員費が払える人、年間契約(個人再生)は事業計画書が必要、生活保護対応のジム(自己破産)はお金が無くても入れるけど一時的に「資格制限プラン」になる ── という違いです。

上記はあくまで原則です。実際には個別の事情によって例外が認められるケースも多いため、詳細は各記事で確認してください。


③ 自分の条件を3ステップでセルフチェック

「自分はどの制度の入口に立てるか」を判断するシンプルな3ステップ。専門家に相談する前の事前準備として活用してください。

ステップ1: 収入の有無と安定度を確認

収入状況

候補となる制度

正社員・公務員(手取り月15万円以上)

任意整理・個人再生・自己破産すべて可

自営業・フリーランス(収入あり)

個人再生・任意整理(収入の安定性が論点)

パート・アルバイト(月8〜12万円)

任意整理が現実的、自己破産も可

無職・生活保護

自己破産のみ(任意整理・個人再生は不可)

専業主婦(夫の収入が安定)

自分名義の収入がない場合は自己破産

ステップ2: 借金の総額を確認

  • 借金 〜300万円: 任意整理が第一候補

  • 借金 300〜1,000万円: 任意整理または個人再生

  • 借金 1,000〜5,000万円: 個人再生または自己破産

  • 借金 5,000万円超(住宅ローン除く): 個人再生は使えない、自己破産が候補

ステップ3: 守りたい財産を整理

  • 持ち家を残したい → 任意整理 or 個人再生(住宅ローン特則)

  • 車(時価20万円超)を残したい → 任意整理 or 個人再生

  • 預金・退職金が多額 → 自己破産だと一部処分対象

  • 保証人付き借金がある → 任意整理で対象から外せる

たとえると、3ステップは「健康診断の問診票」。年齢・体重・既往歴を順に確認すると、自分にどの検査コース(制度)が合うかが見えてくる ── と同じ構造です。

詳しくは「【比較表付き】任意整理・個人再生・自己破産 — 条件の違いを一覧で確認」でも確認できます。


④ このカテゴリで解決できる疑問

「制度の利用条件」カテゴリでは、自分がどの制度を使えるかを判断するための情報を、4つの記事に分けて掘り下げています。

任意整理できない人の条件とは?断られるケースと対処法

「任意整理は誰でも使える」と思われがちですが、安定収入がない・債権者が交渉に応じない・短期借入のみ などの場合は断られます。断られた場合の代替策(個人再生への切り替え・特定調停の活用など)まで具体的に解説します。

個人再生の利用条件 — 住宅ローン特則が使えるケース・使えないケース

家を残せる 住宅ローン特則 には、「居住用住宅・床面積・抵当権の状況」など細かい適用条件があります。「家がある=特則が使える」とは限らない ことを、ケース別に解説。投資用マンション・別荘・店舗併用住宅などの境界事例も網羅。

自己破産できる条件・できない条件を総整理 — 免責不許可事由とは

自己破産が 「使えない」のではなく「免責が降りない」 ケースを整理。ギャンブル・浪費は 裁量免責 で9割超が救済されますが、財産隠し・虚偽申告 は厳しく扱われます。「免責不許可事由」の実例まで踏み込みます。

【比較表付き】任意整理・個人再生・自己破産 — 条件の違いを一覧で確認

3制度の条件を 1つの表で並列比較。収入要件・借金額・財産・期間・費用・信用情報への影響まで、見開きで全体像を確認できます。「自分はこの制度が使える」を即判断 したい方向け。

たとえると、4本の記事は「免許試験の受験資格チェックブース」。任意整理ブース → 個人再生ブース → 自己破産ブース → 比較ブースの順で回ると、自分がどの試験を受けられるかが整理できます。


⑤ 条件判断のフローチャート — 状況別 5パターン

実際の相談事例をベースに、典型的な5パターン での候補制度を示します。あなたに近いケースを探してみてください。

パターン1: 30代会社員・借金350万円・カード5社

収入安定 × 借金中規模任意整理 が第一候補。月3万円×5年で完済プラン。

パターン2: 40代自営業・借金1,200万円・住宅ローン2,500万円

収入あり × 借金大規模 × 家を残したい個人再生(住宅ローン特則)。1,200万円を1/5に圧縮。

パターン3: 50代パート・借金600万円・収入月8万円

収入わずか × 返済不能自己破産 で全額免除。財産処分は最小限。

パターン4: 20代会社員・奨学金300万円・カード借金100万円

奨学金は減額困難 → 任意整理(カード借金のみ対象)+ 奨学金は猶予制度を併用。

パターン5: 60代年金生活・借金400万円・持ち家ローン完済済み

年金収入あり × 持ち家あり → 自己破産だと家を失う → 任意整理 で5年返済プランを組む。

たとえると、5パターンは「家計医療相談所のカルテサンプル」。年齢・職業・症状(借金)が違えば処方箋(制度)が違うのと同じく、似ているケースを参考にすると、自分の進路が見えてきます。

最終的には専門家との面談で正式判断します。1社で決めず3社以上で比較 が鉄則です。


⑥ 条件を満たさなかったときの代替策

「自分の希望する制度が使えない」と判明したときの 3つの代替ルート を知っておくと、選択肢が広がります。

代替ルート1: 任意整理を断られた → 個人再生・特定調停

  • 収入が不安定で任意整理を断られた → 個人再生(履行期間中の収入見込みで判断)

  • 業者が交渉に応じない特定調停(裁判所が間に入る)に切り替え

代替ルート2: 個人再生で借金が5,000万円超 → 自己破産または事業再生

  • 個人債務 5,000万円超 → 自己破産しか選べない

  • 法人格があり事業継続したい → 民事再生(個人再生とは別制度)

代替ルート3: 自己破産で免責不許可事由 → 同時廃止 → 管財事件で裁量免責

  • 浪費・ギャンブル → 管財事件 で破産管財人が調査 → 反省と更生の意思があれば 裁量免責 で救済

たとえると、代替策は「乗り換え案内」。一つのルートが渋滞しても、別の路線で目的地(生活再建)にたどり着ける ── そう思って、最初の案で諦めないことが大切です。

代替ルート4: 司法書士に断られた → 弁護士に相談(140万円の壁)

司法書士は 1社あたり140万円以下の借金 にしか代理権がありません(司法書士法)。140万円超の借金を抱える方は、司法書士事務所で「対応できません」と断られることがあります。

借金の状態

推奨される専門家

1社あたり140万円以下・複数社合計500万円程度

司法書士 で対応可(費用が安い傾向)

1社あたり140万円超

弁護士 が必要(代理権の上限なし)

個人再生・自己破産を選択

弁護士のみ対応(裁判所手続きの代理権が必要)

たとえると、司法書士と弁護士の使い分けは「内科医と総合病院」。軽症は内科で診てもらえるけど、重症は最初から総合病院に行ったほうが効率的、と同じ構造です。

司法書士に断られても 弁護士に切り替えれば対応可能 な場合がほとんど。最初の選択を間違えても、すぐに別の窓口に切り替えれば手遅れにはなりません。

代替ルート5: 全制度が使えない → 任意整理で「対象を絞る」工夫

「収入が不安定すぎて任意整理は難しいが、自己破産は資格制限が困る」というジレンマもあります。この場合、任意整理の対象を1〜2社に絞る ことで返済負担を最小化する方法があります。

  • 金利が高い社(消費者金融・カードキャッシング)だけ任意整理 → 利息カットで負担軽減

  • 保証人付き借金は対象外(保証人に迷惑をかけない)

  • 将来の収入回復 に備えて、まず返済可能な部分から手を付ける

たとえると、対象を絞る任意整理は「ダイエットの段階的目標」。一気に全体を変えるのではなく、最も問題のある食習慣(高金利借入)から改善していくイメージです。

完璧な制度がなくても、部分的な解決の積み重ね で生活再建できるケースは多くあります。


⑦ 制度別の詳細はピラーへ

各制度の詳しい仕組み・利用条件は、専用のピラーページで解説しています。

利用条件で迷ったら、自分の状況に近そうな制度のピラーで詳細を確認するのがおすすめ。3社以上の弁護士に無料相談するのと並行して、各制度の知識を深めると判断が早くなります。


⑧ 他のカテゴリも活用しましょう

利用条件を確認したら、次に気になるポイントの詳細を確認してみてください。

次に知りたいこと

おすすめカテゴリ

そもそも債務整理の全体像を知りたい

初めての債務整理

費用がいくらかかるか・手続きの流れを知りたい

費用・期間・流れ

家族や仕事への影響が心配

生活への影響

借入先ごとの対応の違いを知りたい

借入先別対応

過払い金・時効・法人破産など特殊なケース

過払い金・時効・法人


⑧ まとめ — 条件を知ることが最適な制度選びの第一歩

債務整理は 「どの制度を選ぶか」 で結果が大きく変わります。そして制度選びの出発点は 「自分が条件を満たしているかどうか」 の確認です。

たとえると、利用条件のチェックは「旅の前のパスポート確認」。行き先(解決ゴール)を決める前に、そもそも入国できる国(使える制度) を把握しておくと、後で慌てずに済みます。

条件面でのセルフチェックで大まかな候補を絞ったら、最終的には弁護士・司法書士に相談して正式に判断してもらうのが確実です。このカテゴリの4記事で各制度の条件を確認し、次のステップへ進みましょう。

「条件チェック」を一人で抱え込まない

利用条件は 法律の条文・実務運用・地域差 が複雑に絡む領域です。自分で完璧に判断する必要はありません。誤った自己判断で「使えると思って準備していた制度が、相談したら使えなかった」というケースは少なくありません。

3社以上の 無料相談で複数の弁護士の意見を比較 すると、自分の状況にどの制度が適合するかが立体的に見えてきます。診療と同じく、セカンドオピニオン で判断材料を増やすのが安全策です。

  • 法テラス(無料・収入要件あり)

  • 弁護士会の無料相談(地域弁護士会主催、月数回開催)

  • 個別事務所の無料相談(電話・オンラインも対応)

たとえると、条件判断は「3つの病院で診てもらう」のと同じ感覚。セカンドオピニオンは医療だけでなく、債務整理でも有効です。

「自分の場合はどの制度が使えるか試算してほしい」と伝えるだけで、各事務所が 書類無し・口頭の概要だけで ざっくりした方向性を教えてくれます。気軽に問い合わせて大丈夫です。

監修 奥野正智

ウイズユー司法書士事務所

奥野正智 司法書士

債務整理や闇金問題への対応を中心に、幅広い法務サービスを提供する司法書士・行政書士。これまでに8万件を超える闇金相談・解決実績を有し、特に違法業者への対応や借金問題の解決において豊富な経験を持つ。司法書士と行政書士のダブルライセンスを活かし、債務問題から各種手続きまで一貫した対応が可能。依頼者の状況を的確に把握し、迅速かつ実務的な解決を重視している。また、闇金被害に関する啓発活動にも取り組み、メディア出演や情報発信を通じて被害防止に寄与。法テラス登録相談員としての活動や、LEC東京リーガルマインド専任講師としての教育活動など、多方面で実務と社会貢献の両立を図っている。大阪司法書士会会員(第2667号)/簡裁認定番号第312416号/大阪府行政書士会会員(第7123号)/申請取次行政書士登録番号 行-172022200021

よくある質問

収入がないと債務整理は一切できないのですか?

いいえ、収入がなくても自己破産は利用できます。むしろ「返済原資がない」ことが自己破産の典型的な利用条件です。

制度

収入の必要性

任意整理

安定収入が 原則必要(3〜5年で返済するため)

個人再生

継続的・反復的な収入が 必要(再生計画を履行するため)

自己破産

不要。生活保護受給中でも申立て可能

たとえると、自己破産は「お金がない人専用の救命ボート」。収入が空っぽだから乗れる、というロジックです。返せる人は別の制度(任意整理・個人再生)で対応します。

生活保護受給中の方や年金のみの方も自己破産は可能で、法テラスの民事法律扶助 を使えば弁護士費用も手元ゼロから始められます。

ギャンブルや浪費が原因だと自己破産できないと聞きました。本当ですか?

できないわけではありません。ギャンブル・浪費は破産法 252条1項4号の 免責不許可事由 に該当しますが、裁判所の裁量免責により実際には9割以上が免責を受けています(最高裁判例タイムズ等の実務統計)。

裁量免責のために重要なのは:

  • 反省と再発防止策 を陳述書で具体的に書く

  • 家計簿の記録 を提出して生活再建の意思を示す

  • 依存症治療プログラム(ギャンブル依存ならGA等)の参加を検討

  • 管財事件(管財人がつくタイプ)になり、面談で生活状況を確認される

たとえると、免責不許可事由は「交通違反点数」。点数が高くても免停にならず、講習を受ければ復活できる ── ギャンブル・浪費も「反省して生活を立て直す姿勢」を示せば免責される構造です。

1回でも借金しすぎたから人生終わり ではありません。早めに弁護士に相談すれば、適切な手続き選択(管財・少額管財)でほぼ確実に免責に到達できます。

借金が少額だと相手にしてもらえないのでは?

金額の下限はありません。法律事務所では数十万円台の借金でも普通に受任します。

ただし 費用対効果 の視点はあります:

  • 借金 50万円・任意整理 1社 → 弁護士費用約3〜5万円。利息カット+分割で十分メリットあり

  • 借金 30万円・任意整理 1社 → 費用と削減額が拮抗するケースあり、家計改善で対応する選択肢も検討

  • 借金 100万円超・複数社 → 任意整理の費用対効果が大きく、迷わず相談すべき

たとえると、借金額の下限は「医療費の領収書下限」みたいなもの。100円でも病院は受診できますが、症状次第では「市販薬で様子見」と言われるのと同じです。

司法書士は1社140万円以下の代理権 があるので、少額の方は司法書士に相談する選択肢も。多くの事務所が 初回無料相談 を受けているので、金額に関わらず気軽に相談しましょう。

住宅ローンがあると個人再生できないのですか?

いいえ、むしろ住宅ローン特則を使うために個人再生を選ぶケースが多い です。住宅ローンがあること自体は障害になりません。

ただし 住宅ローン特則の適用には条件 があります:

条件

内容

自己居住要件

申立て本人が 居住している 物件

床面積

建物の床面積の1/2以上が居住用

抵当権

住宅ローン以外の抵当権が付いていない こと(リースバック・追加担保があると不可)

滞納状況

既に 代位弁済から6ヶ月超 だと使えない場合あり(早期相談が重要)

たとえると、住宅ローン特則は「家のドアだけは閉めておく」抜け道。個人再生で部屋全体(他の借金)は片付けるけど、玄関(住宅ローン)はそのまま残せる、というイメージです。

滞納が進むほど条件が厳しくなる ので、住宅ローンを残したい方は督促段階で早めに弁護士に相談するのが鉄則です。

2回目の債務整理は認められないのですか?

そんなことはありません。制度ごとに再利用ルールがあるだけで、原則として再度利用可能です。

制度

再利用の制限

任意整理

回数制限なし。同じ債権者でも再度交渉可能(ただし条件は厳しくなる)

個人再生

前回から 7年以上 経過が必要

自己破産

前回の免責から 7年以上 経過が必要(破産法 252条1項10号イ)

7年以内に2回目の自己破産を申立てると 免責不許可事由 に該当しますが、これも 裁量免責の余地 があります(個別事情次第)。

たとえると、再利用ルールは「保険の再加入待機期間」。一度大きな保険金を受け取ると、しばらくは新規加入できないけど、待機期間後はまた使える ── と同じ構造です。

2回目を検討する段階の方は、「なぜ再び借金が膨らんだか」の原因分析 が裁量免責の鍵。家計の根本的な見直しまで踏み込めるかが分かれ目です。

専業主婦・無職でも自分の名義で債務整理できますか?

できます。配偶者の扶養下でも、自分名義の借金は自分名義で手続きできます。

  • 配偶者の同意は原則不要 — 法的には独立した手続き

  • 配偶者の信用情報には影響しません — 配偶者の名義に傷がつくことはなし

  • 任意整理 — 自身に収入がなくても、配偶者の協力で月々の返済を出せるなら可能

  • 個人再生 — 「継続的・反復的な収入」要件があるため、無収入では使いにくい(パート収入があればOK)

  • 自己破産 — 収入ゼロでも問題なし。むしろ最適

たとえると、専業主婦の債務整理は「自分専用の銀行口座」と同じ独立性。家族の口座と切り離して個別に管理できる、と考えれば理解しやすいでしょう。

配偶者に内緒で進めたい場合も、任意整理+郵便物の弁護士事務所留め で実現可能です。最初の無料相談で「配偶者には知られたくない」と伝えれば対応してもらえます。

65歳以上の高齢者は債務整理が使えないのでは?

年齢制限はありません。65歳以上でも全制度を利用可能です。

  • 任意整理 — 年金収入だけでも、3〜5年返済できる金額なら可能

  • 個人再生 — 年金は「継続的・反復的な収入」と認められ、利用可能

  • 自己破産 — 年金生活で返済原資がなくても、むしろ最適

たとえると、年齢は「飛行機の搭乗制限」と違って制限なし。子どもから高齢者まで、誰でも乗れる電車のような制度です。

むしろ高齢者には 以下の利点 があります:

  • 資格制限の影響が小さい(既に退職している場合)

  • 新規借入の必要性が低い(事故登録のデメリットが軽い)

  • 年金は差押え禁止 — 自己破産後も年金は守られる

相続対策の観点でも、借金を抱えたまま亡くなると相続人に債務が引き継がれる ため、生前に整理しておくのは家族のためでもあります。

個人事業主・自営業者でも個人再生は使えますか?

使えます。個人再生には 小規模個人再生給与所得者等再生 の2種類があり、自営業者は 小規模個人再生 を利用するのが一般的です。

種類

対象

小規模個人再生

自営業者・パート・アルバイト・年金生活者など、収入が変動する人

給与所得者等再生

安定したサラリーマン(収入の変動幅が小さい)

小規模個人再生は 債権者の過半数の同意 が必要ですが、ほとんどのケースで通ります。事業を継続したまま借金を1/5〜1/10に圧縮 できるため、自営業者の生活再建に最適です。

たとえると、自営業者の個人再生は「お店をリフォームしながら営業継続」。完全閉店せず、無理のない規模に整え直せます。

法人格がある場合(株式会社・合同会社など) は別途、法人破産・特別清算などの手続きが必要です。詳しくは「法人破産・特別清算の解説」を参照。

外国人や永住権のない人でも債務整理できますか?

できます。日本の債務整理制度は 国籍を問わず 利用可能です。在留資格があれば、永住権がなくても申立てできます。

  • 任意整理 — 在留期間中に完済できる返済計画なら可能

  • 個人再生 — 国籍要件なし。在留期間に注意

  • 自己破産 — 国籍要件なし

注意点:

  • 書類が日本語(陳述書・家計簿などは通訳サポートが必要な場合あり)

  • 在留期間が短い場合、3〜5年返済の任意整理は計画が立てにくいことも

  • 送金記録(海外送金) がある場合は別途整理が必要

たとえると、債務整理は「日本の医療制度」と似ています。国籍に関わらず、日本にいる間は同等のサービスを受けられる、という考え方です。

外国語対応の事務所(英語・中国語・ベトナム語など)も増えているので、「日本語が不安」という方も諦めずに相談を。

保証人になっている借金や奨学金も債務整理の対象になりますか?

保証債務も債務整理の対象 になります。ただし手続きによって扱いが異なります。

制度

保証債務の扱い

任意整理

対象から外せる。本人債務だけ整理し、保証債務は通常返済する選択も可能

個人再生

対象になる(保証債務も圧縮される)。ただし主たる債務者がいる場合、その人に請求が行く

自己破産

対象になる。免責後は保証債務も消滅

奨学金(日本学生支援機構など) も同じ扱いで、債務整理の対象にできます。連帯保証人(親・親族)には請求が行くため、保証人と一緒に手続きする方法 も実務でよく取られます。

たとえると、保証債務は「連名で借りた本」。本人が返さなくなったら、もう一人にも返却請求が行くのは構造上避けられません。だからこそ 最初の無料相談で必ず保証人の有無を伝える のが鉄則です。

保証人への影響を最小化したい場合は、任意整理で本人債務だけ整理する のが最も穏当な選択肢です。

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