① 個人再生とは — 制度の仕組みと法的根拠
個人再生は、民事再生法 に基づく裁判所手続きで、借金の元本を大幅に圧縮 して 3年(最長5年)の分割返済計画 を裁判所に認可してもらう制度です。正式名称は 個人再生手続(民事再生法第13章)。
「圧縮」と「分割」の2段階
段階 | 何が起きるか |
|---|
再生計画の認可 | 裁判所が「この圧縮額・分割計画でOK」と認める |
計画通りの履行 | 3〜5年かけて減額後の借金を返済。完済で残債務免除 |
たとえると、3,000万円の家のローンを「やっぱり 1,500万円ぶんにしてもらえませんか」と銀行に頼むのは無理ですが、それを裁判所のお墨付きで認めてもらえる制度です。法的に減額された借金を、計画通りに返し切れば残りはチャラ。
根拠法と効果
根拠: 民事再生法(230条以降に個人再生の特則)
効果: 元本が最大1/10まで圧縮(後述の最低弁済額が下限)
圧縮対象外: 税金、養育費、罰金、故意の損害賠償、住宅ローン(特則使用時)
2つの類型
類型 | 対象 | 特徴 |
|---|
小規模個人再生 | 誰でも使える(自営業・会社員問わず) | 債権者の 書面決議 が必要(過半数+額の1/2以上の反対で否決) |
給与所得者再生 | サラリーマン・公務員など 安定収入 がある人 | 決議不要。代わりに 可処分所得2年分 の弁済が必要 |
実務では 小規模個人再生が約9割 を占めます。詳細は ⑤ で深掘り。
② 個人再生のメリット
メリット | 内容 | 要するに |
|---|
元本が最大1/10に圧縮 | 1500万円 → 300万円 等の大幅減額 | 月々の返済が劇的に下がる |
持ち家を残せる | 住宅ローン特則で自宅・住宅ローンは整理対象外 | 家族と引っ越さずに再建 |
自己破産の資格制限を避けられる | 警備員・保険外交員・士業もそのまま継続 | 仕事を失わない |
借金の原因を問わない | ギャンブル・浪費でも申立て可 | 自己破産の「免責不許可事由」がない |
受任通知で督促が即停止 | 弁護士の通知で貸金業法21条により取り立てが止まる | 当日から電話・郵便が止む |
連帯保証人付きの借金も対象に | ただし保証人には一括請求が行く | 整理範囲を選べないトレードオフ |
認可決定で 強制力 | 反対した債権者も計画に拘束される | 一部の業者の抵抗で潰れない |
法テラス利用可 | 収入基準内なら弁護士費用を立替え | 月5,000〜10,000円の分割返済 |
③ 個人再生のデメリット・リスク
デメリット | 内容 | どう備えるか |
|---|
信用情報に事故登録(5〜7年) | CIC/JICC は完済から5年、KSC は再生開始決定から7年 | デビットカード・家族カードで代替 |
官報に氏名が載る | 開始決定・認可決定の時点で各2回掲載 | 一般人はまず見ない(金融機関の業務用) |
手続きが複雑・期間が長い | 申立から認可確定まで6ヶ月〜1年 | 弁護士依頼が事実上必須 |
費用が任意整理より高い | 弁護士費用 50〜80万円 + 予納金 | 法テラス・分割払いを活用 |
借金が 5000万円超 だと使えない | 住宅ローンを除いた額 | 5000万円超は会社更生・通常民事再生の領域 |
継続的な収入 が必要 | 3〜5年の分割返済を完走できる家計が前提 | 失業中・収入見込みなしは自己破産検討 |
保証人付きの借金 も対象 | 保証人に一括請求が行く(任意整理と違い選べない) | 事前に保証人へ説明・対策 |
清算価値保障原則 で減額が頭打ちになることも | 持ち家・退職金見込が大きいと、減額幅が制限される | ⑧ で詳細解説 |
④ 利用できる条件 — 支払不能のおそれと収入要件
法律上の要件は 「支払不能のおそれ」 + 「継続的または反復的な収入の見込み」 + 「住宅ローンを除く借金が 5,000万円以下」 の3つ。
たとえると、まだ完全には溺れていないけれど、このままでは確実に沈む状態 ── そこに浮き輪(再生計画)を投げてもらう制度。すでに滞納まみれで自己破産しかない、という段階より少し手前で使うのが向いています。
必須要件
要件 | 目安 |
|---|
支払不能のおそれ | 現状の収入では 3年以内の完済が困難 な状態 |
継続的・反復的な収入 | 給与・年金・営業所得など、毎月コンスタントに振り込み がある |
借金総額(住宅ローン除く) | 5,000万円以下 |
「継続的な収入」のハードル
正社員でなくても問題ありません。
収入の形 | 認められる? |
|---|
正社員・公務員 | ◎ そのまま小規模/給与所得者再生 |
パート・アルバイト | ○ 月8万円〜でも継続性があれば可 |
年金生活者 | ○ 年金は「継続的な収入」 |
自営業・フリーランス | ○ 売上の波があっても、過去2年の平均で判断 |
失業中・収入なし | ✕ 自己破産を検討 |
こんな人に向いています
借金 300万円以上 で、利息カット程度では返せない
持ち家を絶対に手放したくない(住宅ローン特則)
自己破産の 資格制限が引っかかる職業(警備員・保険外交員・士業)
ギャンブル・浪費が借金原因で 自己破産の免責が不安
退職金・財産があり、自己破産だと処分対象になる
利用条件の詳細は「個人再生の利用条件 — 住宅ローン特則が使えるケース・使えないケース」を参照。
⑤ 小規模個人再生 vs 給与所得者再生 — どちらを選ぶか
個人再生には2つの類型があり、選び方で 減額幅と確実性 が変わります。
比較項目 | 小規模個人再生 | 給与所得者再生 |
|---|
利用できる人 | 誰でも(自営業・派遣・主婦も可) | 給与所得者で 収入の変動が小さい人 |
債権者の同意 | 必要(書面決議で過半数+額の1/2以上の不同意で否決) | 不要(裁判所判断のみ) |
最低弁済額 | 法定最低弁済額 と 清算価値 の高い方 | 上記 + 可処分所得2年分 の高い方 |
減額幅 | 大きい(給与所得者再生より少なくて済むことが多い) | 小さい(可処分所得が多いほど弁済額アップ) |
実務での割合 | 約9割 | 約1割 |
「決議が必要」とは
小規模個人再生は、債権者で「再生計画 OK ですか?」の多数決を取るイメージ。一定数以上の反対があると否決されます。否決される条件は:
このどちらか1つでも満たすと、再生計画は通りません。
反対しそうな債権者がいる場合
特定の業者(例: 楽天銀行カードローン、一部の保証会社)は、小規模個人再生の決議で 積極的に反対する ことで知られています。借入総額の中でその業者の占める割合が大きいと、否決されるリスクが高まります。
そんなときに使うのが 給与所得者再生:
「多数決ではなく、裁判官の単独判断で通す」ルート。決議がないので反対できる債権者がいません。代わりに 「可処分所得2年分」を最低弁済額として上乗せ する条件付き。
可処分所得とは
可処分所得 = 年収 −(税金・社会保険料・生活費の最低基準額)
家族構成・地域・年齢で計算式が決まっており、東京の独身者なら年100〜150万円、4人家族なら50〜100万円程度が目安。この2年分が最低弁済額の下限 になります。
たとえると、年収400万円・家族4人の人なら、可処分所得は年80万円くらい → 給与所得者再生だと最低160万円は払う必要。これで小規模より弁済額が上がる場合があります。
選び方の鉄則
まず小規模個人再生で進められないか検討(弁済額が少ないため)
反対が見込まれる業者がメイン債権者なら給与所得者再生
収入変動が大きい自営業は小規模一択(給与所得者再生は使えない)
⑥ 最低弁済額の計算 — どこまで減るか具体例
個人再生での減額後の借金額(=これから3〜5年で返す額)は、次の 3つの基準のうち最も高いもの に決まります。
法定最低弁済額(借金額に応じた最低ライン)
清算価値(自己破産で配当される額)
可処分所得2年分(給与所得者再生のみ)
法定最低弁済額の早見表
借金総額(住宅ローン除く) | 法定最低弁済額 |
|---|
100万円未満 | 借金額そのまま(圧縮なし) |
100万円 〜 500万円 | 100万円 |
500万円 〜 1,500万円 | 借金の1/5 |
1,500万円 〜 3,000万円 | 300万円 |
3,000万円 〜 5,000万円 | 借金の1/10 |
5,000万円超 | 個人再生不可 |
借金額別シミュレーション
借金総額 | 法定最低弁済額 | 月々の返済(3年計画) |
|---|
300万円 | 100万円 | 約 27,800円 |
500万円 | 100万円 | 約 27,800円 |
800万円 | 160万円(1/5) | 約 44,500円 |
1,500万円 | 300万円(1/5) | 約 83,400円 |
2,500万円 | 300万円(最低保障) | 約 83,400円 |
4,000万円 | 400万円(1/10) | 約 111,200円 |
たとえると、借金が「重い」ほど減額の割合は大きくなります。500万円なら1/5、2500万円なら最低保障の300万円(=実質1/8〜1/10)、4000万円なら1/10。借金が大きい人ほど劇的に効く制度 です。
注意: 「清算価値保障」で頭打ちになることも
財産がある人は、上の表より弁済額が増えることがあります。詳細は次章。
⑦ 住宅ローン特則 — 4つの返済タイプ
個人再生の最大の武器が 住宅ローン特則(住宅資金特別条項) です。住宅ローンだけを 再生対象から外して 通常通り払い続けることで、家を手放さずに 他の借金を圧縮できます。
使うための条件
条件 | 詳細 |
|---|
自分名義の家であること | 共有名義でもOK |
主に居住している | 別荘・投資用は不可 |
住宅ローンに 保証会社の代位弁済が完了していない こと | 完了後 6ヶ月以内なら巻き戻し可能 |
住宅ローン以外の 担保権がついていない | 事業資金担保等は不可 |
床面積の 半分以上が居住用 | 自宅兼店舗なら居住部分が半分以上 |
たとえると、住宅ローン特則は「家のローンだけ別席に座らせる特別ルール」。ほかの借金(カード・消費者金融)は1/5〜1/10に圧縮、家のローンだけはそのまま。家族で住み続けられます。
4つの返済タイプ
家計の状況に応じて、住宅ローンの返済方法を以下から選べます。
タイプ | 内容 | 使う場面 |
|---|
期限の利益回復型 | 滞納していた分を 再生計画期間(3〜5年)で分納 | 過去に滞納あり、保証会社代位弁済が迫っている |
リスケジュール型 | 返済期間を最長10年延長(70歳まで が上限) | 月々の住宅ローン返済を下げたい |
元本据置型 | 再生計画期間中は 元本据置で利息のみ支払い | 再生計画の弁済で家計が苦しい3〜5年だけ猶予 |
同意型 | 上記以外を住宅ローン会社と個別合意 | 特殊事情で柔軟な対応が必要 |
「期限の利益回復型」が一番多い
実務で最も使われるのは 期限の利益回復型。住宅ローンを数ヶ月滞納している人が、保証会社の代位弁済で家を失う直前で巻き戻せる制度です。
たとえると、保証会社の代位弁済は「家のローン契約が一旦解約される」直前の状態。期限の利益回復型は、その契約を 元の状態に戻して、滞納分を分割で取り戻す 仕組みです。
代位弁済から 6ヶ月以内 なら巻き戻し可能。6ヶ月を過ぎると家は競売で失います。住宅ローンを滞納し始めたら、できるだけ早く弁護士へ。
詳しくは「債務整理すると持ち家・車はどうなる?財産への影響を制度別に整理」を参照。
⑧ 清算価値保障原則 — 自己破産との連動
個人再生での弁済額には、もう1つ重要な縛りがあります。
清算価値保障原則:
「もし自己破産していたら配当されていた額」を下回る再生計画は認可されない
つまり、財産を多く持っている人ほど、最低弁済額が増える ということ。
清算価値の計算
清算価値 = 自己破産時に処分対象となる財産の合計
主な計算項目:
たとえると、「自己破産すればこれだけ債権者に配当されたはず」のラインを、個人再生の最低弁済額に転写する仕組み。財産を残せる代わりに、その分は払ってね、というバランス。
シミュレーション例
借金 600万円・持ち家オーバーバリュー 200万円・退職金見込 800万円のケース:
基準 | 金額 |
|---|
法定最低弁済額(600万円 × 1/5) | 120万円 |
清算価値(持ち家200万 + 退職金 800万 ÷ 8 = 100万) | 300万円 |
最低弁済額(高い方) | 300万円 |
この人の月々返済(3年)は 約83,400円。法定最低弁済額(120万円)の倍以上になります。
財産が多い人は「思ったより減らない」ケースもあるので、無料相談で必ず試算を。
⑨ 費用の目安(2026年版)
費用項目 | 個人再生委員なし | 個人再生委員あり |
|---|
弁護士費用 | 50〜80万円 | 50〜80万円 |
裁判所予納金 | 約 1〜2万円 | 15〜25万円(個人再生委員報酬) |
官報広告費 | 約 1.5万円 | 約 1.5万円 |
合計の目安 | 50〜85万円 | 65〜110万円 |
個人再生委員とは
裁判所が任命する 再生計画のチェック係。家計の確認、再生計画の妥当性、履行テスト(後述)の見守りを担当します。
たとえると、家庭教師みたいな立場。書類のチェック・指導をしてくれる代わりに、その人件費(15〜25万円)を申立人が負担します。
東京地裁などは 弁護士付きでも個人再生委員を必ず選任 する運用。地裁ごとに違うので、申立先の運用を要確認。
お金がない場合
法テラス(民事法律扶助): 弁護士費用を立替、月5,000〜10,000円で分割返済
弁護士事務所の分割払い: 3〜12回の分割可能
受任通知後のプール金: 借金返済が止まる期間(4〜6ヶ月)に費用を積立
たとえると、「再起する靴は法テラスが貸してくれる」イメージ。費用がない人にも、制度として救済の道があります。
詳しくは「債務整理の費用はいくら?制度別の相場と払えないときの対処法」を参照。
東京地裁の独自運用 — 個人再生委員が必須
東京地裁民事20部(倒産部)では、弁護士が代理人についていても個人再生委員が必ず選任 されます。これは全国でも東京独自の運用で、大阪地裁などでは弁護士付きなら原則不選任。
地裁 | 個人再生委員の選任 | 追加費用 |
|---|
東京地裁 | 必須(弁護士代理人ありでも) | 15〜25万円 |
大阪地裁・他多数 | 弁護士代理人ありなら原則不選任 | なし |
たとえると、東京で個人再生するのは「ガイド付きツアーが必須のテーマパーク」。自分で歩けても必ずガイド料金が発生する仕組み。
東京地裁では、個人再生委員報酬を 「分割予納」(履行テスト) として申立後の毎月積立で支払う運用も特徴的です。これにより 履行可能性の事前確認 がより厳しく行われます。
なお、この運用を含めた東京地裁倒産部の独自運用全般について、日本司法書士会連合会・東京司法書士会から「法律上の根拠がない」との批判 があり、改善を求める決議・会長声明が公表されています。読者がご自身で原文に当たれるよう、参考リンクを示します。
⑩ 手続きの流れと期間
ステップ | 内容 | 期間の目安 |
|---|
1. 相談・依頼 | 借入一覧・家計表・身分証・住宅ローン残高証明書を持参 | 即日〜1週間 |
2. 受任通知の送付 | 各債権者に発送、督促が その日から停止 | 当日〜数日 |
3. 取引履歴の取り寄せ・引き直し計算 | 過払い金チェック | 1〜3ヶ月 |
4. 申立書類の作成 | 借入経緯・家計収支・財産目録・住宅資金特別条項案など30種類超 | 1〜3ヶ月 |
5. 申立 → 個人再生委員選任 | 個人再生委員と打合せ開始 | 申立後 1〜2週間 |
6. 履行テスト | 想定弁済額を6ヶ月間積み立てて、本当に払えるか確認 | 6ヶ月間 |
7. 開始決定 | 履行テストをクリアすると開始決定 | 申立から1〜2ヶ月 |
8. 再生計画案の提出 | 弁済額・分割回数・住宅ローン特則の内容を盛り込む | 開始決定から3ヶ月 |
9. 書面決議(小規模のみ)または意見聴取(給与所得者) | 債権者の同意を集める | 計画案提出から1ヶ月 |
10. 認可決定 → 確定 | 官報掲載から2週間で確定 | 決議から1〜2ヶ月 |
11. 計画通りの返済開始 | 認可確定の翌月から3〜5年返済 | 3〜5年 |
全体の期間
申立から認可確定まで: 6ヶ月〜1年
完済までを含めると: 3.5〜6年
弁護士依頼から申立まで含めると、全体で1〜1.5年 が目安です。
⑪ 履行テスト — 「払えるか」の事前リハーサル
個人再生で最も特徴的な仕組みが 履行テスト です。
履行テストとは
申立後、開始決定までの 約6ヶ月間、再生計画で想定する月々の弁済額(法定最低弁済額の 1/3 〜 同額)を、個人再生委員が指定する口座に積み立てる 制度です。
たとえると、ダンスの本番前のリハーサル。本当に毎月この金額を払えるかを6ヶ月かけて検証します。途中で1回でも積立てを飛ばすと、開始決定が遅れたり、再生計画が認可されにくくなったりします。
積立てたお金は
計画認可なら: 弁済の頭金 or 債権者への配当
不認可なら: 申立人に全額返金
つまり負担にはなりますが、損するお金ではありません。
履行テストの実務
想定弁済額 | テスト中の積立額 |
|---|
月 50,000円 | 月 50,000円(フル) |
月 80,000円 | 月 50,000円 〜 80,000円(地裁判断) |
月 100,000円 | 月 50,000円 〜 100,000円 |
地裁・個人再生委員によって運用が違います。「実際に払える金額か」を厳しく見られる ので、見栄を張らず、現実的な計画を組むのが鉄則。
⑫ 信用情報と再スタート
個人再生は 3つの信用情報機関(CIC・JICC・KSC) すべてに事故情報として登録されます。
機関 | 主な加盟先 | 登録期間 | 起算点 |
|---|
CIC | クレカ・信販・携帯キャリア | 5年 | 完済から |
JICC | 消費者金融・信販 | 5年 | 完済から |
KSC | 銀行・信用金庫・保証会社 | 7年 | 再生開始決定から(2022年11月以降の運用) |
5〜7年でできなくなる代表例
たとえると、信用情報の事故登録は「免許停止」のようなもの。期間中は新規ローンが組めませんが、既存の住宅ローンは特則で守れる ところが個人再生の救いです。
代替手段として デビットカード・家族カード・プリペイド型クレカ・後払いアプリ が広く使えます。
詳細は「債務整理後のブラックリスト期間は?信用情報の回復までを解説」も参照。
⑬ 個人再生と他の制度との違い
比較項目 | 任意整理 | 個人再生 | 自己破産 |
|---|
減額の程度 | 将来利息のカット | 元本を最大1/10に圧縮 | 原則 全額免除 |
裁判所 | 不要 | 必要(地裁) | 必要(地裁) |
対象の選択 | 借入先を選べる | 全債権者が対象 | 全債権者が対象 |
住宅ローン | 影響なし | 住宅ローン特則で維持可能 | 原則処分 |
借金の原因問わず | ◯ | ◯ | △(免責不許可事由あり、ただし95%は裁量免責) |
官報掲載 | なし | あり | あり |
資格制限 | なし | なし | 警備員・保険等、4〜6ヶ月のみ |
信用情報の登録期間 | 約5年 | 約5〜7年 | 約5〜7年 |
費用の目安 | 1社2〜5万円×社数 | 50〜85万円 | 30〜100万円(管財なら +20〜50万円) |
あなたに合うのはどれ?
状況 | おすすめの制度 |
|---|
元本は返せる、利息だけがきつい | 任意整理 |
家を残したい・元本もきつい | 個人再生 |
資格制限のある仕事(警備員・保険等) | 個人再生 |
ギャンブル・浪費が原因で免責が不安 | 個人再生 |
元本を返せる見通しがない、家もこだわらない | 自己破産 |
病気・失業で収入が途絶えた | 自己破産 |
制度選びの詳細は「任意整理・個人再生・自己破産 — 条件の違いを一覧で確認」を参照。
⑭ よくある失敗例と対処
① 履行テストの積立てを飛ばす
「今月は厳しいから来月まとめて2回分」── これがアウトです。1回でも飛ばすと「履行可能性がない」と判断され、再生計画が認可されない(廃止決定)リスクが上がります。
たとえると、運転免許の路上教習で1回でも遅刻したら、卒業検定の合格率が下がるようなもの。毎月確実に払うリズムを作る必要があります。
② 申立直前に財産を家族へ名義変更
直前に車や預金を家族に渡すと、清算価値の調査で 「隠した財産」 として上乗せされます。過去2年は調査対象。
③ 一部の借入先だけ先に返した(偏波弁済)
「親から借りた分だけ先に返したい」「メインバンクのカードだけ完済しておきたい」── これは個人再生でも 不適切な行為 とされ、最悪の場合 計画認可が取り消し になります。
受任通知後はどの会社にも返済しないのが正解。家族・知人への返済も含めて、平等に扱うのが再生のルール。
④ 反対しそうな業者がメイン債権者なのに小規模を選ぶ
楽天銀行・一部の保証会社など、小規模個人再生の決議で積極的に反対する ことで知られる業者があります。総借入の中でその業者の占める額が大きいと 否決リスク。
メイン債権者の傾向を弁護士が事前に調べて、給与所得者再生に切り替える判断 が必要です。
⑤ 家計の見栄えを気にして実際より低く申告
弁済額を少なくしたくて生活費を実際より高く申告すると、個人再生委員に 「履行可能性が低い」と判断 されて廃止のリスク。逆に低く申告して再生計画が無理に組まれると、後で履行できずに 再生取り消し。
家計表は実際の数字を正直に。これが一番安全な道です。
⑮ さらに詳しく知りたい方へ
個人再生に関連するテーマを深掘りできます。