初めての債務整理

初めての債務整理

まず全体像と「何から調べるか」を整理
更新日:

「借金がつらい」「返済が追いつかない」── そう感じたとき、まず知っておきたいのが 債務整理 という言葉です。

たとえると、債務整理は「医者に診てもらう前の初診の入口」のようなもの。風邪をひいたとき、市販薬で治すか・病院に行くかを判断するのに似ています。借金が重くなりすぎる前に、法律でちゃんと用意された4つの選択肢 から自分に合うものを選ぶのが債務整理の考え方です。

債務整理は、法律の力を使って借金の返済条件を見直したり、返済そのものを免除してもらう手続きの総称。任意整理・個人再生・自己破産・特定調停という 4つの選択肢 があり、借金額・収入・財産の状況によって、最適な方法が変わります。年間で およそ12万人以上 が利用しており、毎月 10万人以上 が「債務整理」というキーワードで検索しています。決して特別な手続きではありません。

このカテゴリでは、まだ手続きを検討し始めたばかりの方 に向けて、債務整理の全体像と「自分はどの制度に向いているか」を整理する記事を用意しています。「人生終わり」ではなく「生活を立て直すための合法な手段」 であることを、ぜひ知ってください。

① 債務整理とは?

債務整理とは、法律の力を使って 借金の返済条件を見直したり、返済を免除してもらう 手続きの総称です。「借金がつらい」「返済が追いつかない」と感じたとき、生活を立て直すための 正式な法的手段 として利用できます。

主な方法は 任意整理・個人再生・自己破産 の3つ(細かくは特定調停も含めて4つ)。裁判所を使わず債権者と交渉する方法から、すべての借金を帳消しにする方法まであり、借金額・収入・守りたい財産 によって最適な手続きを選びます。

たとえると、4つの制度は「家計修理屋さんが用意している4種類の修理プラン」。配管だけ直せばOKの軽い修理(任意整理)から、家全体をリフォームする重い修理(個人再生)、家を建て直す(自己破産)、町内会の世話役に間に入ってもらう(特定調停)── 状況に応じて選びます。

「債務整理=人生終わり」は誤解

債務整理は 国が法律で用意した正式な救済制度 です。年間でおよそ12万人以上が利用しており、決して特別なことではありません。むしろ早めに手を打つほうが選択肢が広がります。

実際の利用者は 会社員・公務員・自営業者・専業主婦・年金生活者・学生 まで本当に幅広く、「借金額500万円超になってからやっと相談する人」と「150万円台で早めに動く人」では、選べる制度の数も期間も変わります。


② 3つの制度の違い — 早見表

比較項目

任意整理

個人再生

自己破産

要するに

減額の度合い

将来利息のカット

借金を 1/5〜1/10に圧縮

全額免除

利息→元本→ゼロの3段階

裁判所

不要

必要

必要

任意整理だけ気軽

持ち家

影響なし

住宅ローン特則で残せる

原則処分

家を残せるのは個人再生

ローン中以外は残せる

価値次第で残せる

価値20万円超は処分

古い車・軽自動車はOK

期間の目安

3〜6ヶ月+返済3〜5年

6〜12ヶ月+返済3〜5年

3〜12ヶ月

自己破産が一番早く終わる

費用の目安

1社あたり3〜5万円

30〜60万円

30〜80万円

任意整理が圧倒的に安い

ブラックリスト

完済から約5年

約5〜7年

約5〜7年

どれも5年〜が目安

たとえると、3つの制度は「借金の重さ」で選び分ける家具。リビングのソファ(任意整理)→ ダイニングテーブル(個人再生)→ ベッド(自己破産)の順に、扱う「重さ」が変わります。

各制度はこんな人に向いている — 3つの実例

イメージしやすいよう、典型例を挙げます(個人特定を避けるため属性のみ)。

Aさん(30代・会社員・借金350万円・カード5社)

毎月の返済が手取りの3分の1を超え、リボ払いで元金が減らない状態。収入は安定 しているので、任意整理 で将来利息をカット。月3万円×5年で完済予定。家・車には影響なし、家族にも知られず手続きが進みました。

Bさん(40代・自営業・借金1,200万円・住宅ローン2,500万円)

事業の運転資金で借入が膨らみ、住宅ローンは順調に払える状態。家は絶対に手放したくない個人再生(住宅ローン特則) で住宅ローン以外の1,200万円を 240万円に圧縮(1/5)、3年で返済予定。家を残しつつ事業は継続 できました。

Cさん(50代・パート・借金600万円・収入月8万円)

夫の入院費でカードを使い、その後の収入減で返済原資ほぼゼロ。財産は預金20万円程度。自己破産 で全額免除を申立て、約半年で免責決定。ギャンブルや浪費が原因ではないため免責の問題なし、生活保護受給とは別ルートで再スタート。

たとえると、3つのケースは「家計の体重・体格」で選ぶ服のサイズ。S・M・L のどれが合うかは身長と体重次第、と同じく、借金額・収入・守りたいものによって制度が決まります。

どの手続きにもメリット・デメリットがあります。「費用が安い=最適」とは限らず、借金の総額・収入状況・守りたい財産によって最適解は変わります。早期に弁護士の 無料相談 で複数案を見比べるのが鉄則です。


③ 自分が対象か判断する3ステップ

「自分は債務整理が必要なレベルなのか?」を判断するための、シンプルな3ステップです。これを順にチェックすると、相談先での話が一気に具体的になります。

ステップ1: 借金額と「月の手取り収入」のバランスを見る

借金額 ÷ 手取り月収

状態の目安

3ヶ月分以下

通常は自力返済可能。家計見直しで対応できる

3〜6ヶ月分

注意ライン。任意整理 で利息カットすれば返せる可能性

6〜18ヶ月分

任意整理が現実的。返済原資が厳しければ個人再生も視野

18ヶ月分以上

個人再生・自己破産 の検討領域

例: 手取り月20万円で借金が 240万円(12ヶ月分) なら任意整理が第一候補、400万円(20ヶ月分) なら個人再生・自己破産も含めて比較検討。

ステップ2: 守りたい財産を決める

「家は残したいか」「車は必要か」で進路が大きく変わります。

  • 家を絶対に残したい → 任意整理 or 個人再生(住宅ローン特則)

  • 家にこだわらない、現金リセットでいい → 自己破産も選択肢

  • 20万円以上の価値のある車を残したい → 任意整理 or 個人再生

  • 退職金がある程度ある → 自己破産だと一部処分対象になる場合あり

ステップ3: 3社以上で無料相談する

弁護士・司法書士事務所のほとんどは 初回無料相談 を受け付けています。1社の意見で決めず、3社以上で見積もりと方針を比較 するのが安全です。

たとえると、3ステップは「家を建てる前の見積もり比較」と同じ。家族構成・予算・敷地が違えば最適なプランも違うように、借金額・財産・収入で最適な制度は変わります。1社のセールストークで決めるのは危険、相見積もりが基本です。

詳しい始め方は「「借金がつらい」と感じたら読む 債務整理の始め方ガイド」で具体的に解説しています。


④ このカテゴリで解決できる疑問

「初めての債務整理」カテゴリでは、まだ手続きを検討し始めたばかりの方に向けて、以下のテーマで記事を用意しています。

債務整理とは?4つの種類と違いを初心者向けにやさしく解説

任意整理・個人再生・自己破産・特定調停の 4つの違い を、最も簡単な言葉で解説した入口記事。まずこの1本 で全体像をつかみ、関心のある制度の詳細記事へ進みましょう。

「借金がつらい」と感じたら読む 債務整理の始め方ガイド

「何から始めたらいいかわからない」という方向けの 行動ガイド。借金額の確認・無料相談の探し方・準備すべき書類など、最初の一歩 を具体的に説明します。

弁護士と司法書士、債務整理はどちらに頼むべき?違いと選び方

弁護士と司法書士の権限の違い(1社140万円の壁)、費用感、相性の見方を解説。自分の借金額に合わせた専門家選び がわかります。

債務整理のよくある誤解10選 — 「人生終わり」は本当?

「家族にバレる」「会社をクビになる」「戸籍に載る」などの よくある誤解 を10個まとめて検証。不安を具体的な事実 に置き換えて、判断のもやを晴らします。

たとえると、4本の記事は「家を建て替える前の見学コース」。総合受付(4つの種類)→ 順序の説明(始め方)→ 担当者の選び方(弁護士 vs 司法書士)→ よくある不安の払拭(誤解10選)の順で読むと、迷わず次のステップに進めます。


⑤ 債務整理を検討すべきサイン

以下のような状況に心当たりがあれば、債務整理を検討する段階に来ている可能性があります。1つでも当てはまる 場合、早めに専門家へ相談することをおすすめします。

毎月の返済額が手取り収入の3分の1を超えている

家計の黄金比は「住居費1/3・生活費1/3・貯蓄/予備1/3」。返済が3分の1を占める時点で貯蓄ゼロ何かトラブルが起きれば即破綻 の状態です。

リボ払い・複数社の借入で元金が減らない

リボ払いの実質年率は 15〜18% が一般的。例えば100万円を最低額返済すると 完済まで10年以上 かかり、利息だけで元本超になることも。「払っているのに減らない」と感じたら、ほぼ間違いなく利息で減らない構造

返済のために他社から借り入れている(自転車操業)

これは 黄信号ではなく赤信号。自転車操業は数ヶ月で限界が来ます。早急な相談 が必要なフェーズです。

督促の電話・郵便が届いている

督促段階に入ると、訴訟・差押えが視野に。給与差押えになると会社にも知られます。督促が来た時点で受任通知(弁護士介入)を出せば即日ストップ できるので、すぐ相談を。

生活費(食費・光熱費)を切り詰めても返済が難しい

生活費の切り詰めは 健康と精神 を蝕みます。食費を削って返すのは経済的・健康的に持続不可能。この段階に来ているなら、債務整理で返済を組み直すフェーズです。

クレカのキャッシング枠をフルに使っている

キャッシング枠の 金利は実質18%上限フル使用は危険水域、ここからリボ払いと併用すると一気に膨らみます。

借金のことで眠れない・体調を崩している

精神的ストレスは判断力を奪い、さらに状況を悪化 させます。この段階こそ、専門家に介入してもらうべきタイミング。受任通知が出た瞬間に督促が止まり、多くの方が「あの時相談してよかった」と言います。

たとえると、自転車操業は「漏れたバケツに水を入れ続けている」状態。お金を入れても入れても底から漏れていく ── 早めに穴をふさぐ(債務整理する)ほうが、結果的に楽になります。

債務整理は「手遅れになる前に」動くほど選択肢が広がります。借金額がまだ少ない段階のほうが任意整理という軽い制度で済む ため、迷ったらまず無料相談へ。


⑥ 相談から解決までの全体の流れ

「相談したらどうなるのか」が見えないと、最初の一歩が踏み出しにくいもの。全体の流れ を把握しておくと、心理的なハードルがぐっと下がります。

ステップ別 全体フロー

ステップ

期間目安

何が起きる

1. 無料相談

30分〜1時間

借金額・収入・財産を聞かれ、適した制度を提案される

2. 受任契約

即日〜数日

弁護士・司法書士と委任契約を結ぶ。費用支払い計画も決定

3. 受任通知の発送

即日〜数日

督促が即日ストップ。返済も一旦停止

4. 取引履歴の開示請求

1〜3ヶ月

各社から取引履歴を取り寄せ、過払い金の有無もチェック

5. 整理方針の決定

履歴開示後

任意整理・個人再生・自己破産のどれで進めるか確定

6. 手続き実行

制度による

任意整理: 和解交渉 / 個人再生・自己破産: 裁判所申立て

7. 完済・免責・再スタート

制度による

完済または免責決定 → 信用情報の登録は5〜7年で抹消

相談前に準備しておくと話が早いもの

手ぶらでもOK ですが、以下があるとスムーズです(揃わなくても相談は可能)。

  • 借金リスト — 業者名・残高・契約年月(メモ書きでOK)

  • 直近2〜3ヶ月の家計簿 — 収入と支出の概観

  • 給与明細の直近3ヶ月分 — 収入の証明

  • ローン契約書・カード明細 — 業者ごとの利率を確認

  • 身分証・印鑑 — 受任契約時に必要

  • 連帯保証人の有無 — メモでOK

  • 通帳のコピー — 直近の入出金状況

たとえると、相談の準備は「病院に行く前の症状メモ」と同じ。「いつから」「どこが」「どう痛むか」をメモしておくと診察が早いように、借金も具体的な数字を準備すると一気に方針が決まります。

完璧でなくて大丈夫です。「だいたいこのくらい」レベルで先に予約だけ取って、相談日までに揃える のが現実的なやり方です。

相談前にやってはいけないNG行動

相談前後で 絶対に避けたい行動 をまとめます。これらを避けるだけで、手続きの選択肢が大きく広がります。

NG行動

なぜダメか

特定の業者だけ先に返済する

個人再生・自己破産で 偏頗(へんぱ)弁済 とみなされ、免責不許可・返済額増 の原因になる

新規借入で繋ごうとする

自己破産で 詐欺的借入 とみなされ免責不許可になる可能性。直前1年以内が特に危険

クレカで現金化する

詐欺的取引・浪費とみなされ 免責不許可 の典型例。換金率が悪く家計も悪化

財産を家族・知人に名義変更する

詐害行為 で取消対象。最悪は刑事責任の対象

督促を無視し続ける

訴訟・差押え・強制執行に発展。会社・家族に必ず知られる

闇金・ファクタリング業者に頼る

法外な金利で家計が即破綻。まず弁護士・法テラスへ

たとえると、債務整理直前の小細工は「家を売る前にこっそりリフォームする」ようなもの。買い手(裁判所)にバレると逆に不利になります。そのままの姿で相談する のが一番有利です。

困ったらまず 手を止めて弁護士に相談。返済の優先順位や次の一手は、専門家が法律的に問題ない範囲で組み直してくれます。


⑦ 他のカテゴリも活用しましょう

全体像をつかんだら、気になるポイントに合わせて他のカテゴリも読み進めてみてください。

知りたいこと

おすすめカテゴリ

自分はどの制度を使えるか確認したい

制度の利用条件

費用・期間・手続きの流れを知りたい

費用・期間・流れ

家族や仕事、財産への影響が心配

生活への影響

クレカ・消費者金融など借入先ごとの違いを知りたい

借入先別対応

過払い金・時効・法人破産について知りたい

過払い金・時効・法人

各制度の深掘り記事もあります:


⑧ 補足: 東京で手続きする方には注意点があります

東京地裁民事20部(倒産部)は、自己破産・個人再生・法人破産 で全国でも独自の運用を行っており、弁護士代理人がついているかどうかで予納金や手続き期間が大きく変わります

具体的には:

  • 自己破産の少額管財・即日面接弁護士代理人ありの事件に限定(H11〜)

  • 個人再生では弁護士代理人がついていても個人再生委員が必須

  • 法人破産では代理人ありとなしで予納金が約100万円も差

東京で破産・個人再生を検討する方は、「お住まいの地裁の運用」を踏まえた制度選び が重要です。詳しくは 東京都の債務整理ガイド や、各制度ページの「東京地裁の独自運用」セクションを参照してください。


⑨ まとめ — 最初の一歩は「知ること」

債務整理は 「人生の終わり」ではなく、「生活を立て直すための法的な手段」 です。まずは全体像を知ることで、漠然とした不安を具体的な選択肢に変えられます。

たとえると、債務整理を学ぶことは「天気予報を見て傘を持つかどうか決める」のと似ています。事実を知れば、行動を選べます。知らないままだと、雨に濡れて風邪をひいてから「もっと早く調べておけば」と後悔することに。

当サイトでは、弁護士に相談する前に知っておきたい基礎知識を体系的にまとめています。このカテゴリの4記事で全体像をつかんだら、気になるテーマのカテゴリへ進んでください。

最初の無料相談 は、ほとんどの法律事務所・司法書士事務所で受け付けています。「自分の場合はどの制度になるか」を試算してもらうだけでも、次の一歩が見えてきます。1社で決めず3社以上で比較 するのが、後悔しないための鉄則です。

「動くタイミング」が結果を分ける

債務整理は、借金の状態が悪化するほど選択肢が狭まる 制度です。早い段階なら任意整理(最も負担が軽い)で済む方が、放置の末に自己破産しか選べなくなることは珍しくありません。動くタイミング が結果を大きく分けます。

状態

取りうる選択肢

返済がやや苦しい段階

家計改善 / 任意整理 / 個人再生 / 自己破産

返済がかなり苦しい段階

任意整理 / 個人再生 / 自己破産

滞納・督促が始まった段階

個人再生 / 自己破産

訴訟・差押えが始まった段階

自己破産(受任通知で執行停止)

たとえると、債務整理は「歯医者と同じ」。痛みが軽いうちなら詰め物で済むが、放っておくと神経を取る・抜歯・インプラントとどんどん大きな処置が必要になる ── 借金も同じです。

「もう少し頑張れば何とかなるかも」 と思った時が、おそらく一番動きどき。3社の無料相談を予約して、自分の数字で試算してもらうところから始めましょう。

監修 奥野正智

ウイズユー司法書士事務所

奥野正智 司法書士

債務整理や闇金問題への対応を中心に、幅広い法務サービスを提供する司法書士・行政書士。これまでに8万件を超える闇金相談・解決実績を有し、特に違法業者への対応や借金問題の解決において豊富な経験を持つ。司法書士と行政書士のダブルライセンスを活かし、債務問題から各種手続きまで一貫した対応が可能。依頼者の状況を的確に把握し、迅速かつ実務的な解決を重視している。また、闇金被害に関する啓発活動にも取り組み、メディア出演や情報発信を通じて被害防止に寄与。法テラス登録相談員としての活動や、LEC東京リーガルマインド専任講師としての教育活動など、多方面で実務と社会貢献の両立を図っている。大阪司法書士会会員(第2667号)/簡裁認定番号第312416号/大阪府行政書士会会員(第7123号)/申請取次行政書士登録番号 行-172022200021

よくある質問

債務整理をすると家族にバレますか?

任意整理なら、家族に知られずに進めやすい手続きです。裁判所を通さず、弁護士事務所と債権者のあいだで完結します。郵便物も弁護士事務所宛にできるため、自宅に督促状や和解書が届きません。

ただし個人再生・自己破産 は裁判所からの郵便物(官報公告など)が発生するため、同居家族には知られる可能性が出てきます。家計が完全に独立している場合は気付かれにくいですが、通帳や引落口座を共有しているとリスクは上がります。

**たとえると、任意整理は「水面下で泳ぐ」、個人再生・自己破産は「保護者会で発表する」**ようなもの。家族構成と手続きの組み合わせで、見え方は大きく変わります。

気になる方は 初回の無料相談時に「家族にバレないようにしたい」と明確に伝える と、弁護士が郵便物の扱いや連絡方法を工夫してくれます。

会社に知られて解雇されることはありませんか?

債務整理を理由とした解雇は、法律上認められません。労働契約法 第16条により、解雇には「客観的に合理的な理由」と「社会通念上の相当性」が必要で、私生活上の借金処理は通常その対象になりません。

また、裁判所から会社に通知が行く制度はありません。給与差押えに発展した場合は会社経由で天引きが行われるため知られますが、債務整理を始めた時点で受任通知が出されると、その差押え自体が回避できる のが普通です。

ただし 自己破産には一部の資格制限 があり、警備員・保険外交員・宅建業者・士業など一部職種では 手続き期間中(4〜6ヶ月程度)の業務停止 が発生します。これも復権(免責決定後)で自動的に解除されます。

詳しくは「債務整理しても仕事は続けられる?職場への影響と資格制限」も参照してください。

戸籍や住民票に記録が残りますか?

債務整理の記録は、戸籍にも住民票にも一切載りません。これは任意整理・個人再生・自己破産・特定調停のすべてに共通します。

記録が残るのは 信用情報機関(CIC/JICC/KSC) のみで、ここの登録は 5〜7年で自動的に抹消 されます。子どもが進学・就職・結婚する際の戸籍チェックなどで、過去の債務整理が露見することはありません。

たとえると、債務整理は「お医者さんのカルテ」のようなもの。医療機関の中だけで管理され、住民票に「過去に手術した」と書かれないのと同じです。

唯一、自己破産・個人再生は官報(国の機関誌)に公告 されますが、官報を日常的に読む民間人はほぼゼロで、業界関係者(信用情報業者・闇金など)以外が見つけることは現実的にありません。

弁護士費用が払えない場合はどうすればいいですか?

費用がない方には、主に 3つのセーフティネット があります。

  1. 法テラス(日本司法支援センター)の民事法律扶助 — 弁護士費用を法テラスが立て替え、月5,000〜10,000円の分割 で返済。収入要件あり(単身月収20万円以下など)

  2. 弁護士事務所の分割払い — 多くの事務所が 着手金の分割払い に対応。3〜12ヶ月の分割が一般的

  3. 過払い金との相殺 — 古い借入(2010年以前)がある場合、過払い金の回収額から費用を差し引ける ケースも

たとえると、法テラスは「医療費の高額療養費制度」みたいなもの。本来かかる費用を、収入に応じた負担に置き換える公的な仕組みです。

手持ちがゼロでも相談は無料 で受けられます。「お金がないから相談できない」というのは最大の誤解で、お金がない方こそ早く相談する のが鉄則です。費用面は「債務整理の費用相場と分割・後払いの選び方」も参照してください。

保証人に迷惑はかかりますか?

手続きによって保証人への影響が大きく変わります

手続き

保証人への影響

任意整理

対象から外せる。保証人付きの借金だけ整理せず通常返済

個人再生

保証人に一括請求が行く。ただし保証人と一緒に手続きする方法あり

自己破産

保証人に一括請求が行く。同上

保証人付き借金(奨学金・住宅ローンなど)がある場合は、任意整理の対象から外して、対象外の借金だけ整理 する方法を取ることが多いです。

保証人にどうしても影響が出る場合でも、保証人本人も債務整理を併用する ことで、双方の負担を最小化できます。実際、親子・夫婦・兄弟で同時に手続きするケースは珍しくありません。

たとえると、保証人は「連名で借りた人」と同じ位置づけ。借りた本人が払えなくなれば、連名人に請求が行くのは構造上避けられません。だからこそ、保証人がいる借金は 最初の無料相談で必ず告げる のが鉄則です。

クレジットカードは一切作れなくなりますか?

信用情報の事故登録期間(5〜7年)は、新規クレカの発行は実質困難 です。CIC・JICC・KSCのどこかに「異動情報」が残っているあいだは、ほぼすべての審査に通りません。

ただし 代用手段は豊富 にあります:

  • デビットカード — 銀行口座から即時引落、審査不要。VISA/Master/JCBブランドあり

  • プリペイド型クレカ — チャージ式、審査不要。ネット決済もOK

  • 家族カード — 配偶者・親のクレカに紐付く子カード、本人審査なし

  • 後払いアプリ(PayPay後払い・メルペイスマート払いなど) — 信用情報照会なし、月額上限あり

  • ETCパーソナルカード — 高速道路利用専用、デポジット制で審査なし

たとえると、ブラックリスト期間は「免許停止中」のようなもの。一定期間は車は運転できないけれど、自転車・電車・バス(代用手段)は使える。完全に動けなくなるわけではありません。

5〜7年経つと自動的に登録が抹消され、再びクレカ審査を受けられます。完済(任意整理)または免責(個人再生・自己破産)の 証明書を保管 しておくと、後日のトラブル予防に役立ちます。

「人生終わり」と聞きますが本当ですか?

まったくの誤解 です。自己破産しても95%以上の人が免責決定 を受けて再スタートしています(最高裁判例タイムズ等の実務統計)。

一時的な制限はあります:

  • 5〜7年の信用情報事故登録(クレカ・ローン審査に影響)

  • 自己破産の場合、4〜6ヶ月の一部資格制限(警備員・保険外交員等)

  • 官報への公告(民間人にはほぼ閲覧されない)

しかし 就職・結婚・引越し・子どもの教育 にはほぼ影響しません。賃貸契約も保証会社次第で可能、就職活動で履歴書に書く必要もなし、結婚して戸籍に載ることもなし。

たとえると、債務整理は「再スタートのリセットボタン」。ゲームで詰んだらリセットして、コツを掴んでから再挑戦するのと同じ。「終わり」ではなく「再起の入口」 です。

実際の利用者は会社員・公務員・自営業者・専業主婦・年金生活者・学生まで本当に幅広く、年間およそ12万人 が利用しています。決して特別な手続きではなく、家計の風邪を治す処方箋のような存在です。

自営業や個人事業主でも使えますか?

使えます。任意整理・個人再生・自己破産すべて対応可能で、それぞれ事業継続・廃業・再スタートに合わせて選べます。

制度

自営業者の使い方

任意整理

事業継続のまま将来利息をカット、月々の返済を抑える

個人再生

事業を継続したまま借金を1/5〜1/10に圧縮。事業用設備・売掛金も保護される範囲で残せる

自己破産

事業を清算して全額免除、生活再建に集中。免責後は再起業可能

とくに 個人再生(小規模個人再生)は自営業者向けの設計 で、住宅ローン特則を使えば家を残しつつ事業も継続できます。仕入先・取引先への一括請求は法的には起きますが、任意整理では対象を選べる ため、取引先を整理対象から外す柔軟運用も可能。

法人格がある場合(株式会社・合同会社など) は別途、法人破産・特別清算などの手続きが必要です。詳しくは「法人破産・特別清算の解説」を参照してください。

たとえると、自営業の債務整理は「お店をいったん休んでメニューを組み直す」感覚。完全に閉店せずに、無理なく続けられる形に整え直すことができます。

専業主婦・収入のない人でも使えますか?

使えます。配偶者の扶養下でも、自分名義の借金は自分名義で手続き できます。配偶者の同意は 原則不要 で、信用情報も配偶者には影響しません。

ただし手続き選択には注意があります:

  • 任意整理 — 自分の収入がなくても、配偶者の協力で月々の返済を出してもらえる ならOK

  • 個人再生 — 「継続的・反復的に収入がある 」要件があるため、純粋な専業主婦では使えないケースあり(パート収入があれば可)

  • 自己破産 — 収入ゼロでも問題なし。むしろ返済原資がない方こそ自己破産が適合

たとえると、専業主婦の債務整理は「家族会議でリフォーム計画を立てる」感覚。配偶者の理解と協力があると進めやすいですが、法的には独立した手続き なので、自分の意志で動けます。

配偶者に内緒で進めたい場合も、任意整理+郵便物の弁護士事務所留め で実現可能です。最初の無料相談で「配偶者には知られたくない」と伝えれば対応してもらえます。

夜間や土日でも相談できますか?

多くの法律事務所が平日夜間・土日の相談に対応 しています。とくに債務整理を主力とする事務所は、会社員・自営業者の生活リズムに合わせて夜間20〜21時まで土曜・日曜の相談枠 を設けています。

相談手段も多様化:

  • 対面相談(事務所訪問)

  • 電話相談(無料ダイヤル多数)

  • オンライン相談(Zoom・LINE通話)

  • メール相談(24時間受付、回答は営業時間内)

法テラスは平日のみが原則 ですが、提携事務所経由なら柔軟な対応が可能です。

たとえると、相談窓口は「夜間救急のある総合病院」。緊急性が高い時ほど、時間外でも対応してくれる窓口を選ぶのが正解です。

督促が来ている・差押えが迫っているなど緊急の方 は、夜間でも構わず電話してください。受任通知は 即日発送 で督促を止められます。

対応時間や予約方法は事務所ごとに異なるので、3社以上に問い合わせて比較 してから選ぶのが鉄則です。

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